女子高校生・星泉(薬師丸ひろ子)が血縁筋によりヤクザの組長を継ぐことで始まる、めだか組という擬似家族の愛の物語。
我が青春のアイドル映画です。チョー個人的な感想しか書けそうにありません。そして、いつも以上に長い感想になりそうです。
名ゼリフを堪能する映画。
中学時代に連んでた映画仲間が、映画のセリフを覚えるのが得意で、好きなヤツを繰り返しマネするわけですよ。何度も聴くから僕も覚えちゃうんですよね。そいつが特に好きだったのがこの映画のセリフの数々。
「すぐに死んで落とし前をつけようとするの、悪い癖よ。治しなさい」
「言わせていただきますと、ママが死んでからというもの…」
「ヤクザなのに、メソメソする子はキライよ」etc…。
で、今回三十数年振りに観たら、それら名ゼリフのほとんど全てを言えちゃいました。今も体に染み付いて残っていました。これってスゴくないですか。
同じ映画でも観る年齢によって感じるものが違ったりしますが、これは中学生の頃に引き戻されたので、その頃と同んなじ感性で観ました。
薬師丸ひろ子、好きだったなあ。この映画を観て更に好きになったなあ。
アイドル映画なのですが、セックスシーンが挟み込まれていたりします。一部黒く塗りつぶされているのが余計に卑猥でドッキドキしました。それを目撃した星泉ちゃんに共感するのは、やっぱり中学生の頃の感性になっているから。大人って汚らしい。
「長回し」というヤツを初めて知ったのがこの映画でした。相米慎二監督、長回し好きですねぇ。神社での同級生とのシーンからバイクの暴走シーンまでの長回しは「そこから引っ張るか」って感じですね。
それ以外にもいろいろ画が凝っています。それ、空から撮るかってヤツとか、窓越し、すだれ越し、などなど。めだか組の事務所が入っている雑居ビルの屋上に組のお墓があるんですが、その卒塔婆(そとば:木の長い札)と、西新宿と思われる高層ビル群の背景とのアンマッチな映像がお気に入りです。
超メジャー・アイドルが出ている映画なのに、トーンはマイナー。作品の仕上がりはアイドル映画の枠を大きく逸脱しています。薬師丸ひろ子もアイドルの枠を大きく越えて体を張っています。
この映画の中の薬師丸ひろ子を改めて好きになりました。