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天国の日々のRyuのレビュー・感想・評価

天国の日々(1978年製作の映画)
3.4
第一次世界大戦が始まった頃、青年 ビルは恋人のアビーと妹のリンダと共に、各地を渡り歩いていた。ビルは、世の中を渡りやすい という理由でアビーも妹だと偽っていた。3人はとある農場で麦刈りの仕事に就く。刈り入れが終わって、労働者たちは帰ることになるが、農場主のチャックはアビーに惚れており、残ってほしい と求婚する。チャックは病気で余命宣告を受けており、アビーは偶然そのことを知り、ビルにも教えていた。ビルは、チャックは長くないから とアビーを結婚させて、甘い汁を吸おうと画策する。

リチャード・ギアがめっちゃ若い!ついでにサム・シェパードも若い!そんな2人が1人の女性を巡って衝突します。
衝突とは言っても激しさは全くないです。作風としてはものすごく静かなものになっております。映像美が本作の大きな魅力のひとつだと思いますが、作風が静かめなのもあってか、より映像の美しさが際立っていたと思いました。テキサスの壮大な自然。麦畑や夕日や太陽などの光が印象的でした。夕暮れのシーンは全てマジックアワーの時間帯に撮影しているそうです。マジックアワーって大体20分くらいしかないから、撮影はさぞ大変だったでしょうね。そんな苦労が功を奏して、夕暮れのシーンは非常に美しいものになっていました。
音楽はエンニオ・モリコーネが担当していますが、BGMがかなり少なくて、音楽面ではあんまり魅力を感じられませんでした。くどくなっちゃうかもしれないけど、BGMをもうちょい使ったら、ドラマチックになっていたのかなと思いました。
非常に美しい作風ですが、ストーリーは人間の弱さや愚かさを描いており、そのギャップも味があったと思います。ただ、詩的すぎる作風があまり得意ではないので、ちょっと退屈さを感じたのも事実です。
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