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白鯨との闘いのRyuのレビュー・感想・評価

白鯨との闘い(2015年製作の映画)
3.6
1850年。アメリカの作家 ハーマン・メルヴィルはトーマス・ニッカソーンという老人を訪ね、小説の構想のためにインタビューをする。トーマスは若かりし頃にエセックス号という捕鯨船の乗組員として巨大な鯨と死闘を繰り広げていた。1819年。エセックス号は家柄だけで船長になったジョージ・ポラードやベテランの一等航海士 オーウェン・チェイスをはじめとする乗組員たちを乗せ、ナンタケットを出港する。

ハーマン・メルヴィルの小説「白鯨」の元ネタとなった巨大な鯨に襲撃された事件のお話。
邦題から。鯨との激しい死闘がメインのお話かなぁと思いきや、思ったよりもヒューマン要素が多かったような気がしました。後半はほとんどサバイバルとなっていて、その過酷さや仲間たちとの関係にスポットがあてられており、視覚面以外でも見応えがありました。えげつない恐怖を目の前にした時の人の脆さ・弱さ、そして強さも感じ取れました。前半がパワフルな男たちからの後半のボロボロの男たちってギャップも、その恐怖を物語っていたようにも思いました。
もちろん視覚面での見応えも抜群で、荒れる海を渡る時や鯨との戦いなど、やはり近年の作品なだけあって、リアリティもあり、迫力満点の映像でした。
一等航海士のクリヘムは相変わらずのかっこよさですね。キャラクターもめちゃくちゃカリスマ性のあるヤツで、事実上の船長となっています。仲間にキリアン・マーフィがいるのですが、死にかけの時の姿が憔悴しきっており、もはや誰だかわからないレベルでした。語り部になる新米くんにはトム・ホランド。こちらも新人ならではの繊細さが感じとれる良いキャラクターでしたね。MARVELからはマイティーソーにスパイダーマン、DCからはスケアクロウ。アメコミ率ちょい高めですね(笑)。
思っていたよりかは渋い作風でしたが、色んな意味で見応えのある作品だったと思います。
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