Akiramovie

無法松の一生のAkiramovieのレビュー・感想・評価

無法松の一生(1943年製作の映画)
3.8
印象的な 異常に幅の広い道は 当時 有ったのだろう。
人力車 や 人が 行き交い 子供の遊び場でも ある。

時々途切れて 突々と流れる話の流れは、戦前の内務省と戦後のGHQの検閲に寄るものだと、未亡人とその家族である息子に魅かれる松五郎の恋愛観や結婚観の暗示は 観客に任される。
時折、焦点が合う 壁の女性ポスターの 何故なんだろうも。

芝居小屋の仲裁者 『結城重蔵』は、その後 活躍しない。
戦勝 青島陥落を祝う提灯行列の日に、何故、喧嘩を?

未亡人の 夫の軍人は 戦死ではない。
無法者が 上品で貞操の人妻 や 学業優秀で気弱な息子 に、気を寄せる設定が 戦時下の 大衆に 響いたのだろう。

車輪が描く 時間の流れのシーン。
祇園太鼓の響きに 沸き立つ 町の衆。

"田村高廣"、"田村正和"、"田村亮"の父 "阪東 妻三郎"の主役、"伊丹十三"の父 "伊丹万作"の脚本、子役時代の"長門裕之"。
未亡人役 宝塚出身の "園井恵子"は、所属劇団「桜隊」の活動拠点の 広島で 誕生日の8月6日に被爆し 無傷であったのに 8月21日に神戸で 放射線障害で 32歳で死去。

NHK BSP 2022/7/28
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