めたわに

ジェイコブス・ラダーのめたわにのネタバレレビュー・内容・結末

ジェイコブス・ラダー(1990年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ベトナム戦争で戦ったジェイコブのPTSDを描いた映画………とミスリードを誘って、実はジェイコブはベトナムで死ぬ間際の夢?を観ているというホラーテイストな作りの映画。
しっかり幻覚剤の使用と戦争についての批判も。

冒頭の地下鉄のシーンからジェイコブが死界に踏み入れていることを思わせるような描写があり、後に占い師がジェイコブの生命線が切れていて貴方は死んでいると言ったり、ミスリードを誘いながらネタバレを随所に散りばめている。
また、ベトナム戦争での負傷(死)した時の異常な状況(部隊が幻覚剤を投与されていた)を、探るミステリー要素もストーリーに奥行きを持たせている。
別れたはずの妻と今の彼女(ジュゼベル)との生活が交互に登場し、どちらが今の実生活なのか惑わせる構造にもなっている。

しかし、決して作り手にしかわからないようなイジワルな作りではなく、一度でわからなくても、二度みればハッキリわかるような親切なミスリードになっている。

死んだゲイブが迎えにきて手と手を取り合うジェイコブ。ラスト場面はベトナム戦争の野戦病院。軍医によってジェイコブの死が確認される。ジェイコブは安らか顔で死ぬが、幻想(映画のストーリー部分)の苦しみ(=死の苦しみ)の末、ゲイブ(死)が迎えにきた安楽を感じたからかもしれない。

なんだこの映画?の2歩手前くらいの絶妙なストーリー。ホーム・アローン前のマコーレー・カルキンも見どころ。
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