黒猫道

ジェイコブス・ラダーの黒猫道のネタバレレビュー・内容・結末

ジェイコブス・ラダー(1990年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

2015/02/08
「夢と現実の境界がわからなくなった男の話」ってことだけ聞いてたから、てっきりシンプルに人間の狂気だけ描いた作品かと思ってたんだけど、実際はホラー→ミステリー→ヒューマン?と映画のテイストがどんどん変わっていって、小気味好さを覚えた。


こういう夢か現実かわからなくなるパターンの映画って結構な数あると思うんだけど、これって結局は“胡蝶の夢”の派生形だよね。
蝶か人間か、夢か現か って。
そういう映画って基本的に“死”が主要なモチーフになってる。グッて死に近づいたときに、現実が幻に雪崩れ込む。
結局のところ、こういうアポリアには答えが出ないってカントが証明してたと思うけど、詩や映画といった“芸術”では未だに重要視されてる。それだけ、普遍的で、かつ「答えが出ない」と分かっていても論理で割り切れるものではないんだろうな。


ところで、結末に関しては夢オチ?みたいな感じで、好き嫌いは分かれるだろうな笑。ぼくも見た直後は「夢オチかよ!」ってツッコんじまったし笑。だけど今考えると、あの結末に至るまでの“天使と悪魔の葛藤”みたいなものをきちんと伏線を張って描いていたので、ここまで丁寧にやったらあのオチでもいいかな、っと。ただ、わざわざ最後にBZの話を挿れるのはどうかな… 少し興醒めしてしまった感はある。

悪魔の頭ブルブル〜は、マスクシリーズを思い出してちょっと可愛く思えた。
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