敗者三部作の真ん中。なんちゅー三部作よ。開始3分くらいで即悲惨。5分くらいで主人公死亡。けど10分くらいからは怒涛の思いやり。怒涛なんだけど慎み深い。人喰いと名付けられた犬までが慎み深くて俺も慎み深く笑う。そして怒涛に慎み深い音楽。普段は聴かないタイプだけどうっとり耳を傾けてしまう。すべてが過剰な現実世界を中和していくカウリスマキの慎み深さ。主役のおっさん観たことあると思ったら『かもめ食堂』でコーヒー淹れてくれるおっさん。慎み深さを三晩煮込んで人型に流し込んだみたいなカティ・オウティネン。この人がいなければカウリスマキ映画はここまで豊かじゃなかったのかも。ハリウッド的美男美女皆無でも最高に美しくてかっこいい世界を創世するカウリスマキ。に10年ほどNHK朝ドラやってもらいたい。そしたら受信料払ってやってもいい。TVないけど。
