HidekiIshimoto

モダン・タイムスのHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

モダン・タイムス(1936年製作の映画)
5.0
オルダス・ハクスリーの『すばらしい新世界』読み直しのついでにこれも観直してみた。1936年作なのに今や風刺を超えちゃった感で、何故チャップリンが歴史的コメディアンかを改めて納得。驚異の身体芸は笑いを忘れて口あんぐりだし、コカインふりかけご飯とか声出して笑ってしまう。歴史的ラストシーンはリアルディストピアに生きる俺らを時を超えて励ましてくれ、「smile」の無声呼びかけにはついホロリ。ところで『すばらしい新世界』なんだけど、双璧ディストピア小説の『1984』より反論難しいるんるん管理社会が今の行きつく先すぎて困惑する。それが壊滅的な"九年戦争"と壊滅的経済破綻の後に生まれるというのも予言ぽすぎて怖い。この映画よりさらに4年前にこんな本質的でモダンタイムな物語が書かれてることにほんと驚く。そのハクスリーが実はジョージ・オーウェルのフランス語の先生だったとかケネディ暗殺の日に死んだとか、なかなか因縁深い人物。