Tラモーン

レオン 完全版のTラモーンのレビュー・感想・評価

レオン 完全版(1994年製作の映画)
4.2
1000本目のレビューはこれにしようかと思ってたけど、ベタ過ぎて敢えてハズしてしまった笑。完全版は恐らく初鑑賞。


ニューヨークで1人孤独な日々を送るプロの殺し屋レオン(ジャン・レノ)。ある日同じアパートに住む少女マチルダ(ナタリー・ポートマン)の家族が惨殺され、助けを求められたレオンは彼女を家に迎え入れる。復讐のため殺しを教えてほしいと頼み込むマチルダと、それを断りきれないレオンの奇妙な共同生活が始まる。


いやはや、今更あらすじを書くのも恥ずかしいくらいの名作。
多分数年前に劇場公開版を観たのが最後で、完全版は初めて観た。20分ほどシーンが追加されてるみたいだけど、まったく余計なシーンが追加された印象は無かった。

冒頭のレオンが依頼を受けてミルクを飲み干すシーンからカッコいいんよ。
ターゲットの部下たちを姿も見せずにあっという間に片付け、暗闇からヌッと現れて喉元にナイフを突き付ける圧倒的な強さ。まさに神出鬼没のヒットマンを強烈に印象付ける完璧なオープニング。
アパートに帰ってからのレオンの単調で質素ながらアイロン掛けや観葉植物の世話を怠らない丁寧な暮らしは、ジャン・レノに無口なイケオジの印象を決定づけたでしょ。ベッドで寝ないのがまたカッコいいんだ。

そしてマチルダが初めて画面に現れるアパートの階段のシーン。後に「マチルダカット」と称される綺麗な前下がりのボブとあどけなさと美しさを完璧なバランスで携えた横顔。エンジニアブーツからポップなカラータイツと下から彼女の全貌を映していくカメラワークもカッコいい。
リュック・ベッソンの後々のこともあったり、ナタリー・ポートマンとしては複雑に思うキャリアではあるらしいけど、間違いなくマチルダは映画界のひとつのアイコンであることを決定づけた登場シーン。

マチルダの目元のアザで始まる2人の関係。

"大人になっても人生はつらい?"
"つらいさ"

ついで登場するスタンスフィールド(ゲイリー・オールドマン)も強烈な印象。
首をコキコキっとしながらクスリをキメる姿のイカれっぷり。まるで指揮者のように簾をかき分けるあの仕草。麻薬取締局の刑事の癖にヤク中で殺人犯という最低過ぎるキャラクターを魅力的にしているのはゲイリー・オールドマンのチャーミングさだろうか。

これ以降もはやストーリーに触れるのは野暮なので好きなシーンをいくつか。

マチルダが平静を装い自室を素通りしてレオンの家のチャイムを鳴らすシーン。全人類「早よ開けたげて!」となること必須のマチルダの涙からの、ドアが開いてパァーッと光が差すシーン。素敵過ぎる。ナタリー・ポートマンの顔面が強過ぎる。

大切に育てている観葉植物を嬉しそうに紹介するレオン。"俺と同じで根がない"だなんて。彼の抱える孤独やコンプレックスに加え、ラストシーンへの布石にもなる切なさがたまらない。

初仕事を終えてレストランで食事をするシーン。あのマチルダの爆笑は肩肘を張っていた彼女の少女性が見えるし、レオンとの距離がグッと縮んだことがよくわかる素敵なシーン。部屋で水を掛け合うとこも好きだな〜。

レオンとの仮初の幸せの中でも弟の敵討ちを常に胸に秘めているマチルダがロシアンルーレットをしながらレオンに迫るシーンも13歳とは思えないナタリー・ポートマンの顔圧にやられる。

"私が欲しいのは愛か死よ"

彼女の思いの強さに、敢えて危険な仕事に臨むレオンが1人で部屋を出ていくシーンも覚悟の滲ませ方が半端ない。

"俺は逆で歳だけはとったがこれから大人に"

何かを察したように、止めるように言われていたタバコを1人ふかすマチルダの物憂げな表情。

このあたりからの展開が本当に怒涛で。アクション映画的に観てももちろんカッコいいんだけど、そこまでの2人の関係性の変化をとても丁寧に描いてるから、極限の状態で2人の口にする言葉がまったく嘘臭さがなくて、結末を知っていても祈るように観てしまう。

"君は俺に生きる望みをくれた。大地に根を張って暮らしたい。ひとりにはしないよ"

"もう安心よレオン"


エンドロールのスティングまで完璧。
もうこれ30年前の映画か。まだ泣けるの凄いな。結末だってなんとなくわかっちゃいそうなもんなのに。やっぱいい映画はいいな。

余談ですが、ナタリー・ポートマンとクソヒールを演じたゲイリー・オールドマンが戯けた笑顔で写ってるオフショットの写真が超好き。あれ本当いいよな。
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