これはキリスト教を信仰する人たちにとっては、どんな位置付けの作品なんだろう?
物語としての起承転結があったり、映画的なエンタメ要素があるわけではなくただ淡々と処刑されるまでの12時間を記録の様に描いた映画だったように思う。
日本人からすると大河とか時代劇的なものなのか、古事記の様な創作神話の部分と事実とを混ぜ合わせたようなものなのか、キリスト教だけでなく宗教そのものへの信仰心を全く持ち合わせていない為、映画として見た時の感想の持ち方が難しい。
教養として薄っすらとあるキリスト教の知識で見たものの、あまり深く理解出来ず…
それぞれのキャラも深掘りされず淡々と進むので途中ですごく眠たくなっちゃった。
イエスへの拷問場面は凄惨でアメリカではこの映画を鑑賞していた女性が心臓発作を起こして死亡する事故が起きた事を知っていたので凄惨なシーンに心構えをしていたけれど、正直そこまでグロくもなく拍子抜け。まぁレイティングPG-12で問題ないな、と感じたので宗教に対する向き合い方でこの映画の感じ方は全く別のものになるのかもしれないと思った。
監督や脚本などの作り手や演者たちは、どれほど信仰心を持ってこの作品を完成させたんだろう?
信者たちはどうこの作品を見たんだろう?
映画として面白いかどうかで言ったら正直面白くなかったし、宗教やキリスト教の教えも否定的な気持ちがあるし、イエス・キリストの生涯と行いにどこか偽善的なものを感じて事実かどうかを懐疑的に見ている私には合わない作品だった。点数をつけるのも難しい作品だ。