ロアー

おしゃれキャットのロアーのレビュー・感想・評価

おしゃれキャット(1970年製作の映画)
3.7
「おしゃれキャット」は絵本を持ってた。ちょっとやそっとじゃ折れない子ども向けのでっかくてしっかりしてるやつ。

今ではマリーちゃんが人気だけど、私は昔から気品のあるダッチェスが好き。
なんと言ってもディズニーヒロイン唯一の”未亡人”でもあるから、ダッチェスは。
上流階級の余裕のある気品と未亡人の溢れ出る色気。
大枠のストーリーは猫版”わんわん物語”と言って差し支えないけど、フランスが舞台だからかダッチェスとオマリーの関係もどこか大人っぽくて、ディズニーなりのフランス映画っぽさがあるように思う。

主にマリーちゃんがトラブルメーカーで、我が子を助けてもらう度にダッチェスのオマリーに対する呼び方が「オマリーさん」「トーマス」「あなた」って変わっていくのが...映画も後半になるとオマリーの子猫たちを見る目が完全に保護者のそれになってるし、屋根の上で大人2匹だけになった時、オマリーがダッチェスに初めて出会った時と同じセリフをもう一回言うんだけど、最初の時はナンパの常套句みたいな軽いノリで言った感じの台詞だったのに、2回目のそれは思わず溢れてしまった本心って感じで、マジでさ、マジで大人の恋愛物語なんだよね。
子どもの頃はこういうところに気づかず観てたけど、マリーちゃんみたいにおませな女子だったらこう言う恋愛に憧れて「素敵!」ってなったりするのかな?

それと、ディズニー・クラシック時代の作品なので、絵のタッチも線画が生きててめちゃくちゃ素敵。列車ごっこをして歩いてる時の子猫たちの動きが可愛すぎてマジで身悶えた。
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