がちゃん

ブリキの太鼓のがちゃんのレビュー・感想・評価

ブリキの太鼓(1979年製作の映画)
4.4
原色をカンバスに叩きつけた油絵のような強烈さと迫力を持ったドイツの近代史。
その激動の時代を自らの意思で成長を止めた幼い子供の視点で描くアイディアも秀逸で、しかもその子供が太鼓をたたきながら超能力を発揮し、軍隊の行進を楽しいワルツに変えてしまうなどブラックユーモアも冴える。
超表現主義ともいえる、フォルカー・シュレンドルフ監督のタッチは悪魔的な魅力があり観客の心をとらえて離さない。
倫理的な問題で本作を問題視する勢力が、いかに想像力が乏しく貧相なことか。
映画芸術でしか表現できない世界がここにある。
本作から目をそらし逃げようとする輩は心の貧しさを自覚すべきである。
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