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祇園の姉妹のneroliのレビュー・感想・評価

祇園の姉妹(1936年製作の映画)
4.2
■溝口健二監督、京都・祇園の色街で働く姉妹の物語〜■
 
 
万亭や芸妓、舞妓のある「祇園甲部」ではなく、数段格下とみなされる「祇園乙部」を舞台。
 
義理人情に厚く男に従順な姉・梅吉(梅村蓉子)と、現代的打算的な妹・おもちゃ(山田五十鈴)。
 
共に祇園乙部で働く芸妓姉妹である。
 
 
この家の主人であった倒産した木綿問屋の古沢は、姉梅吉の元夫。
 
すがるように姉妹の住まいに転がり込む古沢に同情する姉梅吉。
それをよしと思わぬ妹おもちゃは対照的な性格。
 
妹おもちゃは、古沢を追い出そうと巧みな話術で次々と男たちを騙していく。
 
しかし、最後は???
 
 
 
妹おもちゃを演じた山田五十鈴氏、この時19歳。
京都弁で膨大なセリフを述べるシーンがあったり、圧巻の演技だったり〜
 
すごい女優さんだったのですね〜!
 
 
 
 
■溝口健二監督、女性を描く名手〜■
 
 
黄金世代の四代監督、小津安二郎監督、成瀬巳喜男監督、黒澤明監督、溝口健二監督。
 
溝口健二監督は女性を描く名手。
 
厳格な演出と長回しが特徴的。
 
 
ヌーヴェル・ヴァーグ世代の監督たち、フランソワ・トリュフフォー監督、ジャン=リュック・ゴダール監督、ジャック・リヴィエット監督などが崇拝。
 
ゴダール監督は、突如来日し、京都にある溝口健二監督のお墓参りをしたほど尊敬〜✨
 
 
四代監督のうち、まず溝口健二監督の作品を制覇したい〜♡
 
 
 

■フィルムの消失により69分に…■

 
本作、本来は90分超えの作品であった。
一部のフィルムが失われており、現在見ることができるのは69分。
 
他にもたくさんの作品を撮った溝口監督であるが、フィルムが現存せず、見れない作品もあり、残念。 
 
 
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