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霧の旗のucandoitのレビュー・感想・評価

霧の旗(1965年製作の映画)
5.0
日経新聞「私の履歴書」連載中の倍賞千恵子さん。
30代新鋭監督だった山田洋次の珍しいサスペンス、松本清張「霧の旗」の事を書いておられたので鑑賞。
1965年モノクロです。
倍賞千恵子の圧巻の演技と山田さんの演出に圧倒されました。
弁護士も愛人もそこまでの仕打ちは、と思ってしまいますが。理不尽な冤罪と理不尽とも言える復讐劇。さすが社会派松本と山田。


備忘録
倍賞:熊本のOLで兄の無念を晴らすために高名な弁護士を追い詰める。そこまでやるか。多重人格のサイコっぽい。純情な処女から執念深く冷徹で用意周到な復讐者まで。24歳の倍賞さん素晴らしい。

露木茂:倍賞の兄で教員。金貸の老婆(まだ65歳ですw)殺害の容疑(冤罪)で有罪判決。獄中で病死。

滝澤修:高名な弁護士。温厚で知的。そんなに酷い目に遭わなくてもとも思うが、貧しい一介の市民を助けなかった不作為の為に激しい敵意を持たれる。

新珠三千代:フレンチレストランのオーナーで滝澤の愛人。川津祐介の殺人に居合わせ冤罪の犠牲者になる。

雑誌記者に近藤洋介、バーの先輩ホステスに市原悦子(名優とダイコンは紙一重だなあ)など懐かしい顔がたくさん出ます。山田映画でお馴染みの三崎千恵子や井川比佐志もちょい役で。
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