監督、北野武としての苦悩が映画になったような。
得意のギャング映画を2度と撮らないと宣言した監督キタノが、今まで撮った事のないジャンルの映画を次々と作るもどれも満足のいかない出来ばかり。そんな中で物語はどんどんカオスな方向へと進んでいく……
ここでの評価が残念なことになっているのも納得の内容だが、個人的には中々遊び心のある作品でそこそこ楽しめました。シュールギャグたっぷり、ましてや映画ネタも程ほど。内輪ネタは殆ど不発に終わっているものの、各作品に対する世間の声が大体笑える。似たような作品にも云えそうなものがあるので、案外シャレにならないかも。また、所々ノリがひょうきん族なのも笑えるポイント。
残念ながら後半は内輪ネタのオンパレードかつシュールギャグが見事に不発に終わり、ラストシーンに行き着くまではやりすぎ感が否めない。とは言っても、あれは監督の頭の中の世界。考えていることはやはり監督にしかわからないのでしょう。
ヴェネチア国際映画祭では監督・ばんざい賞なるものが創設されてしまった程、海外での影響力は凄いです。まあでも日本人からしてみればそんなに思うことはないですね。