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ハウリングのmasatのネタバレレビュー・内容・結末

ハウリング(1981年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

初期のジョー・ダンテは、ホント、映画ファン的なテクニカルさ、妙味が観られる。
80年代に華盛りになる特殊メイク、その再注目要素であるシーンを、どこまで引っ張れるか!?を、まるで競っているかの様に、中盤までまったく出さないという子憎たらしい技を、意地の様に炸裂させている。たかだか“狼男”で、そこまで引っ張れるのは凄い。物語のミステリアス性に引き込まれ、忘れた頃に登場するのだが、それがなんとまあ“獣姦”の様な、SEXシーンで炸裂するのだ。この、時代の最新技術とエログロをぶつけ合う、画期的な変身シーンが、いかがわしさ満載に炸裂させるジョー・ダンテとロブ・ボッティンの悪趣味な企みは、圧倒的な魅力であった。

ジョン・キャラダイン、スリム・ピケンズ、ケヴィン・マッカーシー(、ディック・ミラー!)と、ゾロゾロ登場するスパイス俳優たちが、嬉しい。さらに電話ボックスのカットがやけに長いロジャー“ケチりプロデューサー”コーマン、スラリと台詞も熟すジョン“脚本”セイルズのカメオ・カットも笑える。

そのセイルズの脚本、改めて見直すと、ケモノ・エロなコンセプトが結構強かった。やはり、エログロが混在するホラー、そのいかがわしさこそ、映画の根源、見世物性であり、魅惑の空間である。

また、地味なオバサンヒロインより、ラストカットを飾る黒革・狼女の艶かしさが印象に残るのだが、この“艶かしさ”だけが、シビル・ダニングによって受け継がれ、“続編”が登場するとは、誰も予想できなかっただろう・・・
そんな続編は、イヤらしさの究極のエゲツナイ傑作、と私は思います・・・
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