フランス バンリュー映画
イスラーム映画祭 神野俊史氏トーク付き
大事なのは落下ではなく着地
ユダヤ、アラブ、アフリカと宗教も人種も異なる移民である3人の若者を通して感じるフランス。
現状から抜け出したいと思っていても、容易ではない現実。憎しみからは憎しみしか生まれない。
カメラワークが印象に残ることと、ある意味始めに繋がる強烈なラスト。
冒頭とラストは忘れない。
劇中のCut KillerのLa Haineはその時の映像とともに秀逸。ピアフの曲が挟まれる時のカメラワークは何故か強烈に記憶に焼き付く。
ヴァンサン・カッセルはゴロつきにしか見えない凄みがあり。
映画は1993年に起きたマコメ事件をキッカケに製作。本作はバンリューを本格的に描いた最初の作品らしく、その後ジャンルにまでなったと。
ヴァンサン・カッセルは本作繋がりの2015年のショートフィルムにヴィンス役で出演とのことで(「Violence en réunion」)帰宅後なんとか観たもの字幕なしのフランス語のため雰囲気のみ味わう。
トークはフランスの移民問題、そしてラップやスラマーによる人々の声。
フランスは何処に向かうのだろう。
トークで取り上げられたディアムス
Ma France à moi のMVが強烈だった。
本作製作時にどんな未来を予想していたのだろうか。
後年にラ・ジリ監督『レミゼラブル』でも描かれたなにも変わらぬ社会。
移民問題にどんな解決策があるのか見通せない。