KAJI77

憎しみのKAJI77のレビュー・感想・評価

憎しみ(1995年製作の映画)
4.2
フランスの陥るどうしようもない現実を描き出した作品、『憎しみ』(1995)を鑑賞しました!

この作品はダニー・ボイル監督の傑作『トレインスポッティング』と対比されることが多いですが、それはメインキャラに坊主頭がいるからというだけには留まりません。全ての若者が抱くわけもない、やり場の無い'怒り'や'憎しみ'をそのままスクリーンに映します。セックス、ドラッグ、クライム、どれをとってもその描写は過不足なく、リアルで目の当たりにしていない僕なんかでもそれが伝わってくるほどでした。

しかし、この作品が削り出す'憎しみ'とは一体何なのか。一筋縄では分からないというのが率直な所。彼らは何を憎み、何に反抗していたのか。史実のような二項対立が存在しない現状。敵のいない革命。浪費される若さ。

決して他人事では無いのではないか?10代の自分はそう感じました。大人から観るとこの作品はどう見えるのか。凄く気になるところです。
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