【グラディエーター】
ツタヤ発掘良品にて。一昨年の東京国際映画祭で上映されましたね。ダルトン・トランボ絡みで気になっていたのですが、ようやくDVDですが、見られました。
見てみれば真っ当な子供映画で、終盤まではべつに…という感じでしたが…トランボ魂あふれるラストが、なかなか!
強いがため闘牛として売られ、大観衆に見つめられ血闘に孤軍奮闘するも、最後は殺されるさだめ…50年代当時、赤狩りで追われる自身を、この牡牛になぞらえたともいわれますが、あの観衆の叫びは、彼自身の願いでもあったのだろうな、と思いました。
ジャック・カーディフによる撮影が素晴らしい。これは劇場で見たかった。特にメキシコ・シティに入ってからの臨場感。当時は、ここまで徹底して現地ロケするのは珍しかったのでは。最後にメキシコの皆さんへサンクスメッセージも出しているし。
当時のアメリカ映画で、オールメキシカンの物語、というのも珍しいと思った。そもそも、トランボが赤狩りを逃れるためメキシコに行った際、闘牛を見て着想したものらしい。まあ、人物みな英語喋っているし、闘牛への視点も異邦人のものでしたが。
あと、主人公を演じるマイケル・レイ君がメキシコ系に見えず、現地女性と結婚した白人一家の話なのか?と初め一瞬、混乱しました(笑)。
…本作、興行としては失敗し、大赤字だったようですね。まあ、白人は見たがらないでしょうコレは。
闘牛シーンを、子供映画だからと甘くせず、しっかり撮っているのがよかった。骨を感じる映画で、トランボ魂が脈打っていてそこが、大人が見ても面白い。
『トランボ』では本作に触れていたっけな?見てから時間経ってしまい、投稿もしていなかったので、久しぶりに再見したくなりました。
ちなみにマイケル・レイ君はこの後、『アラビアのロレンス』にも出演しているらしい。ああ、あの少年かな?と思い当たったので、そっちも再見したくなってしまった。
<2018.7.29記>