黒い牡牛の作品情報・感想・評価

「黒い牡牛」に投稿された感想・評価

R

Rの感想・評価

4.8
うおおおおお!!! めちゃくちゃ感動した! こんなに涙ボロボロになるだなんて! 序盤は、結構ふつうに子ども向けの映画っぽいなーちょっと退屈だなぁーと思っておりました。ストーリーは貧しいメキシコの田舎の牧場に暮らす少年レオナルドのお母さんの葬式シーンから始まる。その夜、大木の下敷きになって死んだ母牛の隣りに生まれたての子牛を見つけたレオナルドは、そいつをお家につれて帰り、ヒターノと名づけて育ててやることにする。連れて帰った明くる朝、お布団でふたりいっしょに寝てるシーンのラブリーさと言ったらない。で、レオナルドと愛を育みながら、ヒターノはすくすく見事な闘牛に成長。ついに、ヒターノはメキシコシティの闘牛場に送られることになる。しかし、ヒターノをどうしても死なせたくないレオナルド。何とかしてヒターノを種馬として生かしてやりたい! と、輸送トラックに乗り込むのだが……という流れ。途中までは、なるほど、このちっさいレオナルド君がヒターノを救うことができるのか、できないのか、って話なのだな、美しい人間の動物への愛と献身の話なのだな、と思ってた。そのために知恵を絞って方々に走り回るレオナルドと闘牛の準備が調っていく様子を、カットバックでスリリングに演出、うおー、どうなんの? どうなんの? ところがそこからストーリーの向きと視点ガラッと変わって、心を根底から揺さぶるすさまじい感動へと至ります!!! おっと、ネタバレに気をつけねば。全編色彩の鮮やかな映像が大変美しく、高らかな音楽もすばらしく、これぞ、クラシックな名作!っていう雰囲気が最高! けど終盤はなかなかお目にかかれない神々しいまでの展開と演出で、涙ボロボロ! レオナルドの迫真の切実な表情に胸がしぼられます。この子、演技うますぎじゃない? あと、闘牛シーンのハラハラ感と美しさもスゴい。今や動物愛護の関係から闘牛という文化がなくなってきてるようだが、まぁ、なくなって当然の残酷さと言える。人間側はたくさん味方がおるのに、牛は一頭だけ、みんなで寄ってたかって悲惨な牛さんをジリジリ死に追いやっていくんやから。とはいえ、死の危険を軽やかに翻すマタドールの身のこなしに、人々をほれぼれさせる独特の高雅さがあるのも確か。などなどの要素と、ネタバレになるので語れないいくつかの要素で、クライマックスはさまざまなレベルで深い深い感慨をもたらします。ホントにすばらしい作品。是非とも多くの人に見てほしい一作!
Bom

Bomの感想・評価

4.0
トランボは本当に天才だ。文字では表せない。
エンドロール感動。

2018年初観作品337本目
隠れた超絶名作と本に書かれており、
タイミング良くBlu-ray化されたので買って鑑賞してみた。
少年と逞しい牡牛との友情物語なのだが、
序盤ですでに50年代メキシコの長閑な風景と古さを感じる音楽が牧歌的な心地良さを与えてくれ夢中になった。
もちろん、それだけではなく物語自体も真っ直ぐな話ながら、優れた脚本と演出で感動を与えてくれる。

クライマックス、アンティークな街並みを奔走する少年の姿と、闘牛場で力の限り奮闘するヒタノ(牡牛)の姿には涙が溢れそうになった。

観終わった後には胸に熱い気持ちと温かい気持ちが残り、本当に素晴らしい映画だと余韻を噛み締めていた。

オー!ヒターノ!ヒターノ!!
Haruka

Harukaの感想・評価

3.4
「トランボ」を見て、これも見たいなぁと思ったので借りて来た。
一頭の牡牛にかける少年の真っ直ぐさが、THE王道映画として出来上がっていて、古臭くも満足。
英語の映画だが、メキシコが舞台だからほどよくスペイン語が使われているのが雰囲気良かった。
少年以外の人々も、登場時間の少なさの割にしみじみしたキャラがあって、温かかった。
きちんと闘牛を見るのも始めてだった。

名作だと思うけど古すぎるため刺激がなく原点。
少年と牛の友情物語!!どんな組み合わせだよ!と思ったのですがめちゃめちゃ大感動作品でした。

牛を手放さないといけない状態がこれでもかと何度も襲いかかってきても、少年は自分ができることを真っ直ぐ精一杯やって阻止する姿に心打たれるし、牛も少年だけには心許して精一杯生きる姿に心打たれました。この二人の関係性がものすごく良かったです。ラストはマジで胸アツ涙腺爆発でしたね。

闘牛というものが知れる映画でもあってメキシコ文化も知れる映画でした。

この映画は名前を伏せて当時映画業界から干されてたトランボさんが撮った作品ですが、トランボさんは本当にすごいですね。トランボ作品はアイデアが斬新で観るものを惹き付けるストーリーばかりで天才だと思います。

アミーゴ!!!
まあ機会があれば観たいなあと思ってたら、近所のTSUTAYAに発掘されてた。

もちろん脚本は良いいんだけど、それだけの作品じゃなく音楽だって華を添えてるし、特にジャック・カーディフの撮影が素晴らしかった。

少年と牛の物語ということで、いやあ、これは涙腺にくるでしょう。
ジャケットに惚れて観てみたら良作。古臭さがとても良い。ダルトン・トランボ、著名な脚本家さんなんですね。また勉強になりました。

運命的な出会いを遂げたレオナルド少年と牡牛ヒタノの絆が揺るぎない。幾度と訪れる絆の危機。どんな危機にも勇敢に立ち向かうレオナルドはまだ少年でも表情はみなぎる力でいっぱいだ。

舞台がメキシコシティへ移る後半は更にパワーアップするレオナルド。超大者まで巻き込む行動力は圧巻。そして闘牛のシーン…結構な長丁場だけどドキドキしっぱなし。闘牛にああいったルールがあることに絶句だった。

あの年代のメキシコシティの街並みと“動物たちを祝福する日”というシーンがお気に入り。かわいらしいので私もぜひ参加してみたい。
大木茂

大木茂の感想・評価

3.2
トランボの引き出しはどうなっているんだろう
脚本家の人って本当に頭に宇宙を持ってるよね

牛がこんなにかわいく頼もしい映画ってないんじゃないかな?
少年と動物の絆の話は素敵よね

この作品の大人達は普通に冷たい人もいるけど
ちゃんと子供に耳を傾けたり信じてあげる立派な人達が多いのがイイ
どうしても「トランボ」観た後だから
原作者本人と重ねて観ちゃうよね
だけどあの映画観てないとここにたどり着けもしないから実話モノは偉大だね


最後のカット
「パラダイスロスト」っぽくないですか?
秋月

秋月の感想・評価

4.8
アカ狩りにあっていたダルトン・トランボが脚本の映画


トランボは当時、反米ということで尋問に合い、踏み絵を踏まされそうになり刑務所にぶちこまれる等の理由から自由に映画を造れなかった。そのため、偽名を用いてこの映画を造ったそうです。


こういった背景を知りながら観ると、ここに出てくる牡牛はトランボ自身のようだ。

ボロボロになっても何度でも立ち上がる闘争心には涙が出る。



私はボロボロにされ膝をつきその場から逃げ出したことがある。
そして今、違う分野で闘争しているところだ。
同じ分野、同じ場所でボロボロになりながらも立ち上がることは出来なかった。
しかし、違う分野といっても私の小さな世界の話。
自分自身が尊厳を取り戻すことに関しては同じ分野で同じ場所なのかもしれない。


映画を観てモチベーションが上がる。レビューを書いて自分の決意を確認する。皆さんのイイネが背中を押してくれる。フィルマークスって素晴らしい
ゴマ

ゴマの感想・評価

4.2

このレビューはネタバレを含みます

牡牛と闘牛士とのラストバトルとその戦いの後に少年が牡牛に駆け寄る瞬間のサスペンスの映画的醍醐味が素晴らしい作品。途中のメキシコの大統領から預かった手紙を闘技場の闘牛の責任者に持っていく場面も一刻を争うドキドキする演出も良かった。町山智浩さんの映画ムダ話のこの作品の解説によるとラストの少年と牡牛が並んで登場口から去っていく場面はロッキーに影響を与えているのではないかとのこと。牡牛がロッキーで少年がエイドリアーンである。うーむ、確かに、と思った次第。牡牛の何本も串を刺されても諦めず何度も何度も闘牛士に立ち向かっていく戦いに感動する。
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