黒い牡牛の作品情報・感想・評価・動画配信

「黒い牡牛」に投稿された感想・評価

原案ダルトントランボ

メキシコ
子供と闘牛の絆
あまり子役の印象が残らなかった
ハイライトは闘牛のシーンでした

感動まで後一歩でした
モハメド・アリと対戦した三流ボクサー チャック・ウェプナーの試合にインスパイアされてスタローンが3日間で書き上げた脚本が『ロッキー』。その試合以外にいくつかの映画も参考にされていて、その一本が『黒い牡牛』


脚本は赤狩り時代に干されてハリウッドで仕事が出来なくなったダルトン・トランボが偽名で執筆。赤狩り=赤い旗に闘いを挑む闘牛。
当時のアカデミー原案賞を受賞したけど受け取り手がいなかったという今年のアンソニー・ホプキンス状態だった。


物語はメキシコでレオナルド少年が可愛がっていた牡牛ヒタノが勇敢な故に闘牛場で闘うことになる。闘牛の最後はマタドールに殺される運命。串刺しにされながら何度も何度もマタドールに闘いを挑むヒタノ。メキシコの闘牛とアメリカのボクシングを比較するセリフも出てくるし、ヒタノの闘志がロッキーの参考になったんだろうな。


ロッキーの源になった牡牛、ドゥエイン・ジョンソンはトレーニンググッズのプロジェクト・ロックで牡牛のロゴを使ってるし、総合格闘家ノゲイラの愛称はギリシャ神話の半人半牛ミノタウロ、牡牛は闘う男の象徴のような気がします。
HK

HKの感想・評価

3.4
あの『ジョニーは戦場に行った』のダルトン・トランボが赤狩りでハリウッドを負われたときに偽名でアカデミー原案賞を獲っていた作品です。
公開から約20年後にあらためて実名で同賞を授与されましたが、さらにその後、同じくアカデミー原案賞を獲った『ローマの休日』もトランボ脚本だったとわかり話題になりました。

メキシコ農村の少年が育てた仔牛(といってもすぐ大きくなりますが)が闘牛に出場させるため連れ去られ、少年が取り戻そうとどこまでも追っていく物語です。
少年の純真さが涙を誘いますが、アメリカ映画ながら全編メキシコが舞台のノンスター作品ということもあり興行的には失敗したとか。
地味だし小学校で引率されてみんなで観に行く文部省推薦っぽい映画ではあります。

しかしトランボのことを知っているといろいろと考えさせられます。
少年が連呼する牡牛の名前“ヒターノ”はフラメンコの源流でもあるロマ民族(ジプシー=放浪・移動型民族)のことで、ハリウッドを追われて放浪するトランボ自身と重なります。

原題は“The Brave One”(勇者、勇気ある者、立派な人)
ブレイブワンとは不屈の闘魂を持つヒターノのことか、決してあきらめない少年のことか、それともラストで声を上げた観衆ひとり一人のことでしょうか?

クライマックスの闘牛シーンはまるでコロセウムで行われる『スパルタカス』の決闘のようでもあり、メキシコシティの観光地はちょっと『ローマの休日』を思い出しました。

本作に登場した闘牛士リベラは本物の名闘牛士だそうですが、本作で見られるような闘牛は今はもう行われていないようです。
音楽は『エデンの東』『シェーン』のビクター・ヤング。

ちなみに原題が全く同じ映画『ブレイブワン』(2007年、監督ニール・ジョーダン、主演ジョディ・フォスター)が存在します。
チャールズ・ブロンソン主演の『狼よさらば(デス・ウィッシュ)』の女性版ですが・・・とくに関係は無さそうですね。
YukikoSwan

YukikoSwanの感想・評価

4.0
黒い牡牛!
ダルトントランボ脚本。

発表当時は赤狩りにあって
名前を出すことができなかった
ダルトントランボ。

しかしながらアカデミー賞をとる!
ローマの休日、黒い牡牛とアカデミー賞をとり、その後ダルトントランボは自分が脚本をしたことを発表することになる、、
という背景もドラマチックです!

男の子が言う、ヒターノ!という
言葉があまりにも耳にのこりすぎて、
なんとなくヒターノ!といいたくなってしまったりします。(個人差あり)

メキシコが舞台ですが、言語はほぼ英語で繰り広げられます。たまーにグラシアス!とか言われるけど、標準言語が英語なのはやはり不思議。

最後のメキシコシティを巡って巡るシーンは観光気分にもなれちゃいます。

牡牛が、金持ちの車に突進したり、
最後の観客が生かせろ!と大勢で
命を大切にするあたりが、
なんともトランボ節✨
スパルタカスと同じくだりですね。

映像担当も音楽担当も、素晴らしい巨匠により作られてますので、この作品はなんともDelicioso!
syuhei

syuheiの感想・評価

4.0
本作でアカデミー原案賞を受けたロバート・リッチはマッカーシズムによる赤狩りで投獄されたダルトン・トランボの偽名。本来ならば殺されるはずの闘牛で不屈の戦いを見せるヒタノに彼自身を投影したのではないか。

"ヒタノ"(Gitano)と何度も呼びかけるレオナルドの声が頭に残る。特撮もCGもない時代の闘牛シーン、どうやって撮影したんだろう?実際にやってる以外にないよなー。

赤いケープをヒタノに見せるレオナルドを父が叱責するシーンがあるけど、牛の目は色を区別できないので、牛に赤いものを見せると興奮するというのは俗説らしい。闘牛は本場のスペインやメキシコでももう下火で、以前カタルーニャを旅したとき闘牛が見たいと思ったらもうやってなかった。

https://twitter.com/syuhei/status/1359143631647502343?s=20
感動。 オールド感のあるカラーフィルムが、乾燥地帯の環境とよく合っていて、牡牛の表情も豊か。少年と牡牛「ヒタノ」の絆が、一つ一つの行動や仕草で際立っていました。
特にラスト数十分が、主人公の少年と一緒に祈りながら見ていました。

観賞後に、ダルトン•トランボ脚本だったことを思い出し。 赤狩りでハリウッドを追放されてた頃。
闘牛という"赤"の象徴に、少年と牡牛が翻弄させられながらも、こういうラストになる…。なるほど、と思います。
「ローマの休日」脚本家ダルトン・トランボが偽名で執筆した作品。メキシコ🇲🇽を舞台にした黒い牡牛🐃と少年の友情の物語。動物映画は好きだけど😢が必要になることもあり、ハンカチ用意して鑑賞したが、爽やかなエンディングを迎えることができた😃
子牛から育てた牡牛が最期はメキシコシティ中心の闘牛場に。殺される運命の牛を救いに少年は奔走する😤
1950年代の牧歌的なメキシコの風景、大らかな時代性を感じてまだまだ世界は今より全然マシだったなあと痛感。 
クライマックス、まさかの映画「グラディエイター」の名場面が再現されるとは思わなかった。優しい牡牛の眼と少年の笑顔が心を癒してくれる。1956年アカデミー賞原案賞受賞作品🎬。
牛を見つめる少年の目の綺麗なこと。
華やかな闘牛会場が残酷リンチショーに見えてくる。
牛かわいいとステーキ食べたいが自分の中で同時に出てきて困惑した。
全然関係ないけど靴みがきも子どもと動物が出てきてこんな感じの話になるのかと思ってものすごい裏切られたなあと思い出した。
nekosuki

nekosukiの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

子供の頃に映画劇場で初見。淀川長治氏激押しで号泣した記憶がある。内容をうろ覚えだったが、最近TSUTAYA発掘良品で見つけて再観賞し、こんなに内容だったか?と改めて感動した。

貧しい牧夫の息子“レオナルド”は自身の牧場で落雷に打たれた雌牛が死ぬ間際に産み落とした子牛の“ヒターノ“を愛情を持って育てるが、成長した“ヒターノ”は他人に奪われて闘牛場へ駆り出されてしまう。
“ヒターノ”の命を救おうと奔走する少年は絶望の果てに大統領に直訴する嘆願書を出すことに。
闘牛場で命のタイムリミットが迫る中、何度もとどめの剣をかわしながら勇敢に戦う“ヒターノ”の姿に感動した観客の間から「殺すな!」のコールが巻き起こり、遂に“ヒターノ”は恩赦を得て、少年と共に自由を手にするのだった。

ハリウッドに起こった“赤狩り”の嵐に反旗を翻して迫害された不屈の脚本家“ダルトン・トランボ”が別名義でアカデミー原案賞を獲得した本作。
子供向けでありながら大人の観賞にも耐える傑作だと思う。

諦めない勇気が、周囲の高い壁を壊し、不可能を可能にすることを、自分自身の現状とハリウッドの有り様になぞらえて強いメッセージとして訴えている気がした。

てっきり、廃盤になったと思っていたのでTSUTAYAに感謝。
たぶん、多くの人のリクエストのお陰だろう。
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