一人旅

サマー・ナイトの一人旅のレビュー・感想・評価

サマー・ナイト(1982年製作の映画)
4.0
ウディ・アレン監督作。

イングマール・ベルイマンの『夏の夜は三たび微笑む』(1955)にオマージュを捧げたウディ・アレン監督による性愛喜劇です。

20世紀初頭を舞台に、NY郊外の森の中の別荘に集まった3組の男女が織りなす欲望と狂騒の一日を描いた群像喜劇で、投資コンサルタントのアンドリューとその妻エイドリアン、結婚式前夜の大学教授レオポルドと新妻エリアル、アンドリューの親友で内科医のプレイボーイ:マックスウェルと若い看護師ダルシーら男女6人の思惑と恋と性欲が熾烈に渦巻いていきます。

それぞれにパートナーがいながらも、目の前に現れた魅力的な異性に欲望を抑え切れなくなっていくインテリたちの足の引っ張り合いと自分本位な嘘の応酬を、ウディ・アレンにしては珍しい緑豊かな自然風景とメンデルスゾーンのクラシック楽曲を背景に描いて、インテリ層の化けの皮と性的欲望をユーモラスに浮かび上がらせた喜劇作品となっています。

主演のウディ・アレンがセックスレスの妻との関係に悩み、旧知の女性に心惹かれていく証券マンをいつものようにナーバスに好演していますし、ミア・ファロー、メアリー・スティーンバージェン、ホセ・ファーラーら実力派が個性豊かに脇を固めています。
一人旅

一人旅