はる

インドシナのはるのレビュー・感想・評価

インドシナ(1992年製作の映画)
3.7
かつてフランス領地だったインドシナは1954年ジュネーブ協定でベトナムに名称を変えました。この激動の時代を生きた二人の女性、エリアーヌと養女カミーユの壮大なドラマでした。

エリアーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は地主の跡継ぎで、ゴム農園などの広大な土地を持っています。
父の世話をしながら、男に頼らない生活をするため、独身を貫いてきました。
ある日、絵画のオークション会場で海軍の青年ジャン・バチストと出会い、逢瀬を重ねるようになります。
それが気に入らない父はジャンに手切れ金を渡して別れさせようとします。


養女カミーユ(リン・ダン・ファン)の両親は現地の皇族。両親を飛行機事故で失い、両親の親友だったエリアーヌに養女として引き取られます。
エリアーヌの土地に加え皇子の領地も受け継ぎ、賢く美しい女性に成長しました。

ある日カミーユは共産主義者のトラブルに巻き込まれます。この時助けてくれたのがジャン・バチスト。養母エリアーヌの恋人と知らずにカミーユもまたジャンに想いを寄せるようになります。
だけど、カミーユにはいいなずけがいます。
やがて独立運動が激しくなり、特にカミーユはその大きな渦に巻き込まれて行くのでした。


恋愛ドラマとしても面白い設定なんだけど、ふたりの女性のジャンへの想いが、それぞれのインドシナへの想いと重なるように見えたのがさらに面白かったです。

このころのインドシナの歴史は中国や日本も複雑に絡んでいてとても難しいんですが、ちょっとでも雰囲気を知ることが出来ました。
はる

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