64年日活作品、中平康監督。
冒頭の血液型に関する科学的な説明を交えたタイトルバックがかっこいい。
マルチタレントの草分け戸川昌子の原作推理小説の映画化。
伝説の銀巴里でシスターボーイ丸山明宏が歌う流浪の民。戸川昌子もそうだが、この人たちがいなければマツコもIKKOも活躍出来なかっただろう。
前半は仲谷昇、後半は北川和夫のパート。
前半の仲谷さんがモテるんだなぁ。留学経験もあって家柄もあり電子計算機のコンサルタントなんかでこの時代のエリートサラリーマン。女漁りのために外人に扮するってのがよく分からんが、彫りが深いっていってもどこからどう見ても東洋人顔。やってることは大久保清かジェームズ三木と変わらない。
何度か出てくる阿佐ヶ谷のアパートもボロくて味わいがあった。靴箱って共同だったのね。
ぐっと面白くなってくるのは後半だ。
北村和夫の弁護士と助手の十朱幸代。このコンビが一つずつ証拠集めに奔走する姿がとても心地よく見ていられる。
血液、精液。これらのものをホシはどこからどのような手段を用いて集めたのか。
一見気が遠くなるような捜査にみえるが、RHマイナスというのは2000人に一人、つまりは東京に5000人・・・ だが血液銀行にあたると何やら以前不思議な問合せがあったようだ。
とこんな感じで容疑者の数はかなり絞られていく。警察がまるでオミットしていたところに光をあてていく弁護士たち。ミステリー作品としてよく出来ていた。
ラスト、本田一郎に子どもがいることを伝える。人の心を取り戻したのか。いつかのバーで「流浪の民」を口ずさむ。客が気味悪そうに見ているところで幕。
⇒これ見るまで戸川昌子と清川虹子が同じ引き出しに入っていた。高田純次にダイヤを食べられていたのは虹子の方だぞw
⇒アジアモラル大学という学校名。どこそれ。英語で略せるそうだからICUとかがモデルなのかな
⇒鹿賀丈史主演のドラマもあるよう