あかつか

侍のあかつかのレビュー・感想・評価

(1965年製作の映画)
5.0
GBロスで何も見る気がしない今日この頃。昔勝手に岡本喜八祭りやって以来「見たいなー見たいなー」と思ってた本作。Netflixからオススメされた。

主人公の鶴千代に三船敏郎。荒れる三船敏郎と清らかな三船敏郎が楽しめる。歩き方だけでも絵になるよなぁ、三船敏郎の侍姿。

井伊直弼の首を狙う水戸藩士たち。「この中に裏切者がいるぞ!」から始まる物語。目が離せずにドトールでも見ちゃった。

桑畑三十郎のスピンオフみたいでめっちゃ面白い。そんなこと考えてたら東野英治郎とか志村喬とか出てきた。そして冷血リーダー伊藤雄之助と三船敏郎のタッグ。おまけに新珠三千代と杉村春子と八千草薫。このオールスターによる陰謀うずまくスリリングな展開、なぜか『仁義なき戦い』を思い出したよ。

ラストの雪の降る桜田門での斬り合いは圧巻。「これで日本から侍がいなくなるぞ!」というセリフに震える。


井伊直弼の首をパスしあって持ち帰る小説って大江健三郎の「万延元年のフットボール」だっけ…と思ったら筒井康隆の「万延元年のラグビー」だった。
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