侍の作品情報・感想・評価

「侍」に投稿された感想・評価

mingo

mingoの感想・評価

4.3
鼻毛を抜いているだけで絵になる三船のオープニングですでに満点はなまる。そして言っておきたいことが2つある、高校の日本史の授業で今すぐ必須映画にして欲しいくらいには傑作すぎることと、もう一つは100%映画館で観るべきことだ。家のDVDで観るならいっそ観るのをやめたほうが良いレベル。
実録風のタッチで伊藤小林新珠といった主役級豪華俳優(その他東野志村八千草大辻天本とあげたらキリがない)を交えた三船を巡るドラマが進んでいく時代劇なのだが、荒々しい白黒画面に雪景色の桜田門外の変をほぼセットで細かく再現し、佐藤勝の音楽と喜八のカットバックが気持ちいいを超えて息をするのさえ忘れさせる展開には「切腹」をはじめて観たときに近い感動再来。友を捨て最愛の人と別れ、それでも時代を変えるために討つべきひとがいる。なんて時代遅れのことを言ったって侍は侍。裏切りなんてなんのその。背中には二文字で哀愁。ネタバレになるので詳しいことは書けないが、頑固?知らん。思想?知らん。信念?愛?希望?細かいこととかどうでもええんや、目ん玉かっぴらいて「生き様」を観れば良い。傑作。
小林

小林の感想・評価

3.8
本当は『斬る』が観たかったのですが、見逃したため、敬愛する仲代達矢ではなく、そこそこ好き、くらいの三船敏郎をみました
役に対してだいぶ老けてますが、芯の太い弁慶タイプの身体で刀を振り回す姿はやっぱり様になる
橋本忍脚本であるが、後の『肉弾』のように主人公の悲運を描いたり、サスペンスを盛り込みながら、どこか緩慢なテイストで話が進む、喜八監督らしさが見られる作品だった
ラピュタ阿佐ヶ谷の岡本喜八特集にて。三船敏郎が剣豪の主人公を演じた王道時代劇。その役柄から黒澤の『用心棒』や『椿三十郎』を思い起こさせるが、本作の主人公新納鶴千代は身分の違いから叶わぬ恋に破れ自暴自棄になるという、より人間的な弱さを持った存在として描かれている。その分『用心棒』などのような痛快な娯楽性よりも、主人公の生い立ちの悲劇的な側面も含めて叙情性が強調されている。それでも自分に差し向けられた10人近い刺客をメッタ斬りにするシーンの迫力はまるで『用心棒』のワンシーンのよう。最後の桜田門外での井伊直弼の首を取るまでの死闘の迫力も凄まじい。最後の、自分の生い立ちからくる悲劇を知らず、井伊直弼の首を誇らし気に掲げる鶴千代の後ろ姿が何とも哀しい。

往年の日本映画ファンにとっては東宝のお馴染みの顔ぶれが見られるのも嬉しい。特に井伊直弼暗殺を企てる首領の星野監物を演じる伊藤雄之助の「顔」の迫力は凄かった。正に怪演というにふさわしい。
三船、老けたな…と思ってしまったけど、今作ではそれが合っているような気もした。
「鬼才・奇才・キ才 岡本喜八」
@ラピュタ阿佐ヶ谷
なんだこの禍々しさは。
すべての出来事が寸分違わず悲劇に直結する歯切れの良さと、気持ちの悪さ。運命の前では人は虫けらに過ぎない、ということを滑稽さと残酷さをもって突きつける。必死にあがいても、縄は己が首を絞めるだけだ、と。
悲哀、愁いなどという生易しい感情では、この悲劇は語れない。どす黒い感情に胸が満たされる。こんな特殊な映画、おそらく他にはない。
otom

otomの感想・評価

4.7
寒い日だったので久々の鑑賞。桜田門外の変を舞台とした実に哀しき男と消えゆく侍の物語。タイトルからラストの雪の桜田門外まで全く無駄がない。鑑賞者は東野英治郎のもどかしさと共に三船敏郎の行く末を見守り、侍の終焉を突き付けられる。しかしシリアスな岡本喜八作品でもテンポ、ズームの気持ち良さは変わらず。珍しく悪そうな役の伊藤雄之助も嫌いではない。勿論、傑作。
世界のミフネの四つの貌を見比べて 岡本喜八「侍」

テレンスヤングの珍作「レッドサン」の黒田重兵衛がきらいなわけでもないし
小林正樹「上意討ち 拝領妻始末」の笹原伊三郎が悪いとも思えず
稲垣浩「戦国無頼」の佐々疾風之介にケチつける気は全くありません 。
が 、
やはり岡本喜八 監督「侍」の新納鶴千代の出鱈目さが格別です。
マツダ

マツダの感想・評価

5.0
すげー面白かった
剣術は無敵だけど内面は弱く揺らいでるっていう役を三船敏郎が演じ切ってる
mikoyan358

mikoyan358の感想・評価

3.0
2008/12/20鑑賞(鑑賞メーターより転載)
三船敏郎が主演、重く暗めの映像。予備知識なしだったので、最初はてっきり黒澤映画かと勘違いしていた。水戸藩の浪士が桜田門外で井伊直弼を討つまでの一部始終がその内容だが、前半が状況を説明するのに徹しているためやや淡々としており、クライマックスにたどり着くまでかなり忍耐を要した。ただ、最後の雪が舞い散る桜田門外の映像は余計なものがなく、襲撃する側の焦りなども手に取るように伝わり緊迫感満点。
取り敢えず始めたばかりなので、レビューする監督がダブらないように1作品を選んで書いているのですが、今夜は一番悩んだかもです(笑)
演出や話の面白さで考えると決めかねる…
結局本作にした理由は、主要キャスト全てが魅力的だから♪
何だかんだで正義のための殺人がまかり通る世の中を時代背景にして描かれている作品は、やはり観終った後にスカッとしますね!
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