スタンリー・キューブリック氏が27歳で監督した作品。ちょくちょく名作として名前を目にしていたので気になって鑑賞。
70年ほど前の作品につき「超絶大傑作だ!」みたいなテンションにはならなかったけれど、逆に言うと、今観ても普通に面白いのが凄い。
犯罪群像劇ものであり、男たちが強盗計画を練り、準備し、実行する過程が非常にタイトな描写で端的に描かれていく過程が小気味良い。
それでいて、そういった犯罪計画周辺の描写が彼らにとっての「公(パブリック)」だとすると、その合間合間、彼らのうち一人にスポットを当てて「私(プライベート)」の部分を丁寧に描くことで、視点の緩急をつけているところもお上手。
そして結果的に彼らの計画は破綻するわけだが、それも上述の「私」パートで描かれた事柄が遠因となってくるわけで、「私」パートが伏線としても機能してるんですよな。
(かつ、実社会でも往々にしてそういうことあるよね~。「神は細部に宿る」とも言いますが、抽象的でビジョナリーな計画が失敗する要因が、人間関係やメンバーの感情などの超絶卑近で具体だったりすること、めっちゃ目にします)
ということで、一本のエンタメ作品として普通に面白かった。
映画史のお勉強的にも鑑賞意義のある作品なので、興味を持たれた方は鑑賞をお勧めします。