ジャイロ

ミスタア・ロバーツのジャイロのレビュー・感想・評価

ミスタア・ロバーツ(1955年製作の映画)
3.7
監督はジョン・フォードとマーヴィン・ルロイ。巨匠二人による共同監督作品なんだとか。

またこの作品は、ジャック・レモンのデビュー作としても知られるんだそうな

元になったのは、この映画の7年前のブロードウェイの舞台作品『Mister Roberts』1948年の第2回トニー賞で5部門を受賞(演劇作品賞、演劇主演男優賞、脚本賞、プロデューサー賞、演劇演出賞)

ちなみにこの時の演劇主演男優賞はヘンリー・フォンダです。舞台でも主演しているし、この映画でも主演。しかしながら、映画ではヘンリー・フォンダはアカデミー賞にノミネートすらされていない。この作品でアカデミー賞を受賞したのはジャック・レモンだけです(助演男優賞)。


■ヘンリー・フォンダ
なんでもこの映画では、監督の演出にケチつけて、ジョン・フォードに殴られたというエピソードがあるんだとか。ヘンリー・フォンダは、自分の作品だという自負もあったんでしょうね。なんとなく分かる。それにヘンリー・フォンダって頑固そうだからなあ(あくまでも個人の意見です)


■ジェームズ・キャグニー
ハンフリー・ボガート殺しのギャングスターのイメージが強いジェームズ・キャグニー。往年の面影が感じられなかったから最初ぜんぜん気付きませんでした。後で知って見返してみたら、ホントだ…ジェームズ・キャグニーだ…


■ウィリアム・パウエル
『影なき男』ミスターThin manのウィリアム・パウエルは、ほぼイメージそのまんまで出てきます。このドクターの飄々として食えない感じ、ユーモアまでThin manそのまんまでした。


誰も彼もがモノクロ時代の名優たちなので、カラーで見ることの違和感がすごい。新鮮。


■ジャック・レモン
彼の作品はそれほど観ていないのですが、憎めないキャラクターがいい味出してますね。


そのストーリーは実に男くさい。男が惚れる男(いい意味で)。最後の方なんか男泣きしそうになりました。グッときましたよ。ええ。

ヘンリー・フォンダが不味そうにスコッチを飲むシーンが好きです。