A8

ゼア・ウィル・ビー・ブラッドのA8のレビュー・感想・評価

3.9
100年前のアメリカ
石油で一攫千金をぶち当て一世代で莫大な富を築いた男の“没落”物語、、
最高の俳優「ダニエルデイルイス」を通して
心からグサリグサリと
そんな男の血迷いやプライド、金への執着、、
そんなモノがリアルに伝わってきた。


石油で真っ黒になった身体

ある町の宗教家が教えで人々を扇動していく様

血の繋がりのない愛する息子、、
だが、自らが招いた事故で聴力を失くしてしまう

利益が全てに陥った主人公、、


人間の黒い欲望が
石油のようにじわじわと流れ出る
それは留め度を知らない。

理性と欲望を両立していた主人公

だが、それは少しのズレにより
もう二度といままでの“幸せ”には戻れなくなった。
プライドだとか、欲望だとかなんだとか、、
それよりも大切なモノを
彼は知っていたはずだ。

最後のあのときも
もちろん知っていたはずだ。

しかし留め度を知らないその黒い流れは
容易に人を欲望の奥底へと連れていく。

そこにあったモノとは。

最後の“もう終わりだ”
その彼の一言にこの物語のすべてが
詰まっているようだった。


リアルに伝わる
彼の演技
まさに現実そのものを観ているようだった。

この年のアカデミー賞主演男優賞は
最も異論の無い年になったに違いない。
A8

A8