チェスが題材でありながら、子育てや愛などの普遍的なテーマについて考えさせられるええ話でした。これは人に薦めたくなるね。
チェスの天才少年が現れるたびに「若きフィシャーだ」と言われる界隈。タイトルの通り、みんなが「次なるボビー・フィッシャー」を探してる。
また別の場面では、ブルース先生が「ボビー・フィッシャーならどう考えるか」ということをジョシュに説く。
しかし、肝心なのはジョシュはフィッシャーとは似ても似つかない人間性を持っているいうこと。それどころか真逆なんだよね。
この作品の中での一番の救いは、どう考えたって母なわけですよ。
ヴィニーを自分のベッドで寝かせたいとジョシュが言った時も心の中では絶対に「いやいや無い無い!」と思ってたはずw
それでも「(優しさは)一番大事なことよ」と全肯定し、他の場面でも一貫して愛情を注ぎきっている。
母は「チェスの実力を伸ばす」というゴールが先にあるのではなく、「ジョシュの人間性」というスタートの方に重きを置いてるんですよね。ここには強く共感してしまうなぁ。
でもね、ブルース先生も悪いとは言えないのよ。
もっと言えば、ジョシュ父 vs 学校の先生だってモノの見方(何を一番大切に考えているか)次第なんだよね。
ジョシュがまだ綺麗すぎて、相対的にそれぞれの大人の嫌な部分も浮き彫りになってくるんだけど、それは「人間らしい」と言える範疇であって、最終的にジョシュに対する愛情はしっかり感じられるんですよ。
天才を育てるには、母よりもブルース先生の考えがハマる時だってあると思うんです。
自分は母に圧倒的に共感したけど、唯一の正解ではないとも思えましたね。
そして、若い頃のローレンス・フィッシュバーンがカッコいいなー!