ヘロヘロ

釣りバカ日誌2のヘロヘロのレビュー・感想・評価

釣りバカ日誌2(1989年製作の映画)
3.8
原田美枝子がとてつもなく良かった。
男を魅惑するあの 得体の知れぬ微笑み。
颯爽と歩く肩パッドスーツやメイクアップの感じ、80年代後期の時代の匂いを感じて懐かしい。

石田エリの髪型がショートになり、雰囲気が変わって落ち着いた感じ。浜ちゃんとのイチャラブ度合いも前作よりも薄まっていて若干寂しい気もするが、一方で西田敏行と三國連太郎との掛け合いは、釣りシーンの所作も含め、前作からかなり進化している。
本作の後に長く続くコメディシリーズのスタートとして申し分のない成功作だと思う。(1作目は単品として完結していると思うので)

このシリーズは、三國連太郎の往年の作品への私の思い入れから、一昨目以外の鑑賞を敬遠してきたが、今回初めて観て、三國連太郎はどんな役をやっても、やはり三國連太郎である事を思い知った。浴衣の前をはだけ腹を出し老いを隠せなくなっていても、(目の奥に宿した狂気を出すこともせず)優しい口調で淡々と喋っているだけなのにもかかわらず、原田美枝子のような美女の魅力にも全く引けを取らないような、「 漢」の色気を強烈に放ち他人を魅了する演技がそこにはあった。
そう、「ジジイ」になっても、彼の演技の凄みは全く衰えていないどころか、コメディをも取り込んで、より一層縁起の幅を広げようとしていたことの、その貪欲さを思い知り、今更ながらに恐れ入った。
時間がかかりそうだけど、シリーズ全部に目を通してみるかな。