がちゃん

真昼の決闘のがちゃんのレビュー・感想・評価

真昼の決闘(1952年製作の映画)
4.2
正義の保安官が颯爽と悪党どもを倒す痛快な話ではない。
西部劇という舞台を借りた人間ドラマです。

街の秩序を守りまわりも街人も尊敬していた保安官ケイン。
今日は結婚式だったが、
ケインは不吉な便りを受ける。

数年前に街の秩序のために縛り首の刑に処した極悪人ミラーが、
北部の刑務所で無罪になり、
復讐のためにこの街に戻ってくるという。

新妻やケインとミラーの確執を知っている住人は、
ケインに街を去るように助言するのだが、
ケインは再び秩序を乱されるのを嫌い、
街に残りミラーと対峙する道を選ぶ。

ミラーは昼12時の汽車でやってくる。
駅には子分3人が迎えに出ている。

1対4の戦いになってしまうので、
ケインは街の人に協力を求めるが、
傷つきたくない日和見的な街人は誰一人協力しない。

時計は刻々と刻まれ、
12時がやってくる・・・

保安官がゲイリー・クーパー。
戦い終わって傷ついた彼が、
保安官バッジを自ら外し、
道に捨てる場面は名場面。
アンチヒロイズムを先取りしているようだ。

新妻役にグレース・ケリー。
望まない銃撃戦に巻き込まれてしまう。
凛とした美しさ。

ジンネマン監督は、
時間経過をサスペンスフルに描き上げ、
ドキュメンタリー風のタッチに感じさせてくれる。

もちろんクライマックスの1対4の銃撃戦は、
構図も決まってて迫力あり。
これも名場面だろう。

ジョン・ウェインはこの作品を観て激怒したそうであるが、
僕はこの作品のアンチヒロイズムを支持します。
がちゃん

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