邦画伝統的お涙情緒劇。犬童テイストは?
「精霊流し」でがっくりしたことがある為さだまさし原作が引っ掛かりずっと及び腰。
しかし、阿波踊りがモチーフ。見るなら猛暑の残る今だろうと視聴。
結果はまずまず。
両ヒロイン、母:宮本信子と娘:松嶋菜々子は共に厳しい性格のようで、それが正論であったとしても他者へのやや高圧的なものの言い方には正直不愉快と感じる。
後々思い返せばそれこそ犬童監督の意図した演出ということだったのだろうが、その印象がしこりとなってしまい両者への共感を欠いてしまったのが大きな躓きとなったようだ。
実は犬童監督というのはエンドロールで知ったのだが、こういう邦画伝統的とも言えるお涙頂戴の過剰な情緒劇を手掛けるイメージは全くなかったので大いに驚いた。
一つ感心したのは阿波踊り踊り子の最中に松嶋菜々子が飛込み、客席両端の宮本信子とその古の恋人:夏八木勲を顔合わせさせるシーン。
遠景からでも小さく写りながら3者が分かるように撮るためにはかなりのテイクを要したのではないかと推察されムムッと唸りましたね。
これが犬童流と言えるかどうかは断言できませんが、監督がいずれであったとしても上手い描写でしたね。
医師:大沢たかおと松嶋菜々子の恋愛はちょっと展開早すぎなんじゃないのーとシニカルになったが、まぁお似合いと言えば言えるような気がしないでもないのであれでいいのかと渋々納得。笑
総体的にこれで感動というにはシナリオ的に弱いと言わざるを得ないので総評二つ星
しかし、阿波踊りの雰囲気をアナウンサーの解説付きである程度堪能させてくれたことには感謝。それに上に書いた3者の出会い場面はとても良かったですよ。
012008