Laura

ベルリン・天使の詩のLauraのレビュー・感想・評価

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)
4.0
天使たちはベルリンの上空を、市内を、家の中を、自由に飛びまわる。ドイツ語、フランス語、英語、日本語、他言語が飛び交う街の中。あらゆる存在と意識をひと続きにしてしまう天使のまなざし。そこに「私」と「あなた」を隔てる境目はない。若者。子供。年老いた語り部。移動式サーカス。そして殺戮の記憶。街は記憶する、人が死に新たに生まれ、世代が移り変わろうとも全てを憶えている。この映画のベルリンは巨大な記憶の集合体だ。
絵で物語られた詩のような前半部に対して、後半は別の映画のようだった。でもともかく天使が地上に降りなければ物語ははじまらない。後半は文字通り色彩が溢れるラブロマンス。人間の女性に恋するブルーノ・ガンツが可愛い。
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