きゅうげん

死霊のはらわたのきゅうげんのレビュー・感想・評価

死霊のはらわた(1981年製作の映画)
4.4
『ドクターストレンジ in MoM』で再評価が高まる今、ライミ作品を改めて振り返ろう!

こだわりを感じる凝った撮影・演出・特殊効果・造形……。
低予算ゆえのお手製感あふれる表現が多くありますが、しかしその完成度は高く秀逸な内容となっています。インディーズを理由としないライミをはじめ仲間たちの、バイタリティみなぎる野心作といえるでしょう。

お約束展開やグロ表現はテンポよく、後半戦のアッシュ無双を引きたてる準備運動になってます。
この映画のセールスポイントはもちろん彼。これは一般的なホラー作品が敵キャラクターのアイコン化に勤しむ一方で、本作は正体不明の「死霊」を対象とするため、ひるがえってアッシュにその役割が付されたかたちで、この構図はヒルビリーやオカルト、スラッシャーなどあらゆるホラー映画のカウンターとも言えるでしょう。

それと個人的には、クライマックスのストップモーションアニメが最高すぎて言葉になりません!
『悪魔のいけにえ』は腐るほどクソ暑い現場ということでしたが、こちらは腐るほどクソ寒い現場だったそうで……。ホラーの撮影って何故こうも極限環境下ばかりなのか。