このレビューはネタバレを含みます
主人公が、物語と同時進行で語り手をしている新鮮な冒頭。
これ、いい技ですね。慣れた頃には、もうこのロックな物語に入り込んでます。
レコードの魅力も溢れんばかりに伝わりました。
雇われ店員の2人も、客にロックの真髄を教える為にいる感じ。駄作だ、と店員に判断された曲は、客が買いたがっても絶対売らない(笑)
そんな2人を呆れながらも面倒見ている主人公ロブ。これまたクールで男前で、黒髪と黒い革ジャンが似合っててかっこいい。
ロブは人一倍独占欲が強く、元カノが他の男とセックスしたのを知った時、114分の中で間違いなく絶望の絶頂でした。笑
"運命の元カレ"を彷彿させるような、元カノ達に会って振られた原因を探ってく軽いスタンスが一変。
後半は展開が徐々にスローダウン。
浮気性のロブが、真実の愛を確信した女性、ローラに話す言葉。
『女の幻想に憧れて浮気していた。しかし幻想は、私生活、つまり現実が見えない距離だから美しいのだ。幻想は実体がなくて、現実とギャップが広がっていくから疲れる。君は部屋のあちこちに布のパンツを干している。実体があり、私生活が見えるから一緒にいて安心する。結婚してくれ』
確かこんなことを話していた。
浮気の根底にあるのは、独占欲ではなくて、他の女に抱く幻想なのか〜と納得。
愛情が形となって、物語全体がゆるやかにまとまっていき、最後にこの言葉で締めくくられる感じが綺麗だった。好きです。