エイリアンのABBAッキオのレビュー・感想・評価

　1979年アメリカ。ブレードランナーと並ぶリドリー・スコットのSF傑作で、ジャンルの古典の一つ。ギーガーの作り出した造形の異様さが圧倒的で、それまでの宇宙人とも怪物とも異なる「エイリアン」像を造り出しただけでも凄い。最初の出会いから消滅、安堵から恐怖への転換が最も有名だが、閉塞された宇宙船内で見えない強敵に攻められる心理的圧迫感はむしろベトナム戦争の戦場を思わせる。シガニー・ウイーバーが見せた戦う女性ヒロイン像もその後の多くのヒロインのモデルとなった。