いち麦

ミンボーの女のいち麦のレビュー・感想・評価

ミンボーの女(1992年製作の映画)
5.0
公開当時は暴力団対策の秘訣がとても新鮮に映った。強い力に頼り切ったままではなく自らも強くなっていくホテルマン達の成長には、今見直してみても心惹かれる。また、井上まひるがヤクザの脅しに屈しない自身の強さの所以を語る名場面。これは対ミンボーだけに限らず広く人の生き方に通じているようにも響き胸に迫る。強面の俳優さん達、大活躍。特に我王銀次が脇から迫る脅しが強烈な印象。本多俊之の変拍子風の剽軽な音楽も絶妙。

《覚え書き》
伊丹十三監督、今作品からビスタサイズの画角へ。
Opシーケンスで井上まひるが見せる鼻ティッシュは宮本信子が元々サングラスの跡が鼻筋につかぬ様にと付けていたもの。監督とカメラマンが気に入ってそのまま使われた。
我王銀次はこの映画が製作された年の12月に白血病で亡くなった。今作が最後の出演映画となった。
終盤山場の若杉とヤクザ鉄砲玉との格闘…演じた村田雄浩と柳葉敏郎は児童劇団からの仲間同士。村田は相撲部出身。
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