大映長谷川一夫平次4作目(大映の前に新東宝で1作あるから通算5作目)。新興宗教に天一坊ふうの味付けを加えたスケールの大きい話で、体制による宗教弾圧も視野に入れて単純でない硬派な仕上がり。しかも女への愛のために闘う平次という長谷川一夫映画らしいメロドラマ的感動も備えている。タイトルにある「からくり屋敷」での大仕掛けなアクションも大変見応えもあって、ここは伊藤大輔『鞍馬天狗 黄金地獄』みたいな冒険映画的な面白さだ。丹下キヨ子・久保幸江によるミュージカル・サービスもあり全部のせ大エンターテイメント。素晴らしい。
同じ森一生の大映1作目同様、投げ銭を投げると言うよりぶつけている感じ。投げ銭が切れた時、代わりに何を投げるか。そのアイディアになるほどと感心した。八尋不二脚本、芸が細かい。