・ジャンル
スラッシャー/ホラー/サイコスリラー
・あらすじ
‘57年、クリスタル湖のキャンプ場で起きた少年の溺死事故
翌年、この地では2人の若者が犠牲となった殺人事件が発生
そして’62年には水質汚染によりキャンプ場は営業が再開不能に…
これらの出来事が起きた13日の金曜日は町民の間では不吉な日とされ現場は”血のキャンプ場“と恐れられていた
しかしキャンプ会長のスティーブは諦めず若者達を協力員として雇い再開に向け整備に邁進
そんな中で迎えた13日の金曜日、嵐と共に彼らを襲う影が再び忍び寄る…
・感想
スラッシャー映画の金字塔「13日の金曜日」の記念すべき1作目
後の続編群によってホッケーマスクを身に付けナタで殺戮を繰り広げる殺人鬼ジェイソン・ヴォーヒーズと共に言わずと知れた作品となったシリーズだが今作ではまだジェイソンはほぼ登場しない
かなり前にシリーズはほぼ全て観たものの「フレディVSジェイソン」を観るにあたり過去の変遷を辿りたかったので再鑑賞
かなり早い段階から殺人が起こり始め、その後もトム・サヴィーニが手掛けたしっかりとしたゴア描写と共に1人また1人と殺されていく展開
基本的に殺害は1人ずつで所謂“ファイナル・ガール”となるまで主人公アリスが事態に気付かない構成
数自体は僅かながら効果的に働いていた犯人視点のPOV演出
音楽に頼らず極普通な若者達の日常をじわじわと破壊していく描写
殺害過程に見られる後の続編とは異なる知能犯ぶり
そしてクライマックスで明らかになる犯人の背景と狂気…
どこを取ってもスラッシャー/ホラーとしてだけでなくスリラー作品として良く出来ていてタイトル先行で低予算で製作されたとは思えない文句無しの名作だと改めて感じた
一方でこれは初見であればこそ真価を味わえる作品だよなぁ、とも…
犯人の正体を既に知った状態で観ると伏線がある訳ではないので冗長に感じてしまうのは否めない
それでも終盤のインパクトまでの焦らしつつ飽きさせない様に殺害シーンが挟まれる様はどこか「サイコ」を思わせる秀逸さがある
ラストがまた夢か誠か分からなくて良いんだよなぁ…
ジェイソンというホラー/スラッシャーが嫌いな人間でも誰もが知るアイコニックな殺人鬼はラストに素顔で現れるのみ
にも関わらず満足出来る重厚感がそこにはあるし何よりスラッシャーあるあるの処女性信仰ではなく親の復讐心がベースにあるので白ける事なく見終えられるのが素晴らしい
ジェイソンを期待して観た人には物足りないかもしれないけどやっぱり1作目が原点にして頂点かなぁと個人的には思う
そういう意味でも「サイコ」と近しい作品
とりあえずB級化するまでは楽しく観ていきます…w