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都市とモードのビデオノートの8888のレビュー・感想・評価

5.0
この映画は山本耀司をただ映し出すドキュメンタリーではなく、ヴィム・ヴェンダースがもっている疑問や怒りに対して、山本耀司の優しいけれど強い言葉によって光を当ててあげることによって少しだけ世界に希望を抱けるようになるような、そんな映画。
山本耀司の話を聞いているととても苦しくなる。彼のコレクションにはいつも引っかかるものが自分の中にあって、それはずっと彼が持っている服に対する矛盾に葛藤しているからであり、きっとそれは解消されるものではない。ただそれでも彼は彼の理想をしっかり求め続けている。常人では絶対にできないこと。彼は本物の怪物だと思う。
彼の理想は服ではなくて現実を着ること。この一言だけでも涙が出そうになった。
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