月うさぎ

未知との遭遇の月うさぎのレビュー・感想・評価

未知との遭遇(1977年製作の映画)
4.5
私、思うんです。
圧倒的知性を持った生命体なら、他の星を侵略なんてする訳ないと。
本気になればその科学力で飢餓などの困難は解決できるはずですし、宇宙旅行を実現する程の知恵を集結するためには、同種族が互いに殺し合っているような暴力的な社会状況にある暇などないはずだからです。
だからこれは決して絵空事ではない。そう信じたいですね。

映画館で観るべき映画というものが存在します。例えばこの映画。
SF映画を初めて映画館で観たということもあり、「映像」という認識を初めて持った作品として私にとって意義深いです。

地球外生命体との交感というテーマは当時新しいものでした。
時はUFOブームでしたが、宇宙人というのはコワイものでした。たいていの場合恐ろしい異形の生き物だったり、地球人を拉致したり地球を侵略するインベーダーであって、
「未知との遭遇」のような文化的な異星人はこの映画までは、地球にやってきた事がありませんでした。

言語を解さない意思疎通とか、この映画の解釈は、とてもクレバーでまっとうな設定ではありませんか。
異文化を全て野蛮と決めつけて滅ぼした地球という星の人類とかいう生物の発想を超えています

宇宙船はそれまで想像されていた通りの円盤型ってところはご愛嬌。
円盤でなくっちゃという庶民の夢を壊さないでくれたのね。という事だったと思います。

光にあふれる幸せな交感シーンに酔いしれ、大スクリーンいっぱいに降りてくる宇宙船の大迫力に圧倒され。
音楽に心を奪われぼーっとなってしまった。
このスケール感。それだけで大満足だった私。

円盤は本当に空を覆い尽くすような大きさで
光の饗宴も、レーザー光線のイルミネーションなどない時代のお話しです。

後年テレビでこの映画を観た時に、あまりの卑小さに気の毒になりました。
あああ。光が音が、円盤の迫力が、全然感じられないよ~(T_T)
テレビ画面で見るのであれば、この映画は観ないでほしい。
そう思ったほどです。

そして、心に誓ったのでした。

ストーリー性に特段の意味が無く、映像にメッセージのある映画はテレビではなく劇場で観ようと。
月うさぎ

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