春とヒコーキ土岡哲朗

未知との遭遇の春とヒコーキ土岡哲朗のレビュー・感想・評価

未知との遭遇(1977年製作の映画)
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ものすごいロマン。

ホラーかと思うくらいポルターガイストだったり、発狂だったりするんだけど、クライマックスからのワクワクドキドキが尋常じゃなかった。ドキドキ自体は序盤からあって、ちょいちょいUFOが出てくる度に、期待と怖さが混じった「どうなるんだろ?」って気持ちで観てた。理詰めで言ったら、なぜ男の子がUFOに連れてかれたのか、なぜ連れ拐う能力があったのか不明だけど。

主人公が執着する“謎の物体”がテレビに映っているものと一致。「非科学的」と発言する軍人に対して、科学者が「これから起きることは、科学そのものです」と言い切るとこで、テンションがじわじわ上がる。
UFOの大群が登場。UFOが、地球人の信号に反応したときめっちゃワクワクした。マザーシップの登場でテンション、マックス。最後に中から出てきた宇宙人と、科学者が手話で疎通。宇宙人との友好に、フィクションということを忘れて嬉しくなってしまった。
エンドロール中、余韻が尋常じゃない。しかし、主人公は家族を投げうって宇宙人との交信にいそしむ、社会的にダメな大人。外聞を気にせずに没頭するというのは、社会とのつながりは絶たれるが、彼のやりたいことだけを突き詰めているとも言える。もちろん今までの生活は破綻するが、一般的幸せを捨てて主観的喜びに走るという一つの選択肢。