安堵霊タラコフスキー

勇気ある追跡の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

勇気ある追跡(1969年製作の映画)
2.0
この時期の作品にはイージーライダーや真夜中のカウボーイのように、もう50年も昔の作品とは思えないくらい輝きを損なわずにいる名作が多く存在するが、これは50年経ったと言われても普通に納得してしまうくらい古びた作品。(というか10年以上前から50年以上前の作品かと思う程に古臭かった)

演出も撮影も編集も衣装も何もかもが前時代的で、同じ西部劇でもこの作品と明日に向かって撃てが同年に作られただなんてとてもじゃないが信じられない。(むしろ同じジョン・ウェイン主演の捜索者と同時期に作られた映画のように見える)

ジョン・ウェインといえば彼の演技もアカデミー賞受賞に相応しいものとも思えず、むしろ候補にならなかった明日に向かって撃てのポール・ニューマンとロバート・レッドフォードの方が光っていたように感じられたから、彼の受賞も功労賞的意味合いにしか捉えられないし、自分の中で未だに最も受賞に不満を覚えるものの一つだ。

コーエン兄弟が作ったリメイク、というか同じ原作の映画化も非常に出来が良かったし、あえてこの作品を見る理由は余程ジョン・ウェインが好きだからとかコーエン兄弟版と比べたいとかそういうものくらいしか無いだろう。