凛太朗

人間失格の凛太朗のレビュー・感想・評価

人間失格(2009年製作の映画)
2.3
生田斗真版の『人間失格』
原作は言うまでもなく太宰治ですけれども、取り敢えず長いよ。長い割に描かなけれ意味がわからないようなところを省いてしまってるし、なんせ体感時間が長い!4時間くらい観てた気分。(言い過ぎかもしれん)

まず、主人公である大庭葉蔵が、何故自ら人間失格の烙印を押してしまう程に堕落してしまったのか?っていう大事なところの描写がすっぽり抜けてしまっている。
幼少期、どんな環境で育ったのか?父親との関係や、女中や下男とどう過ごしてきたのか?それ故に葉蔵は何を思いどのように生きることにしたのかってことを、台詞じゃなくてもせめて画で説明しないと、なんでこんなことになってるんやろ?って凄く意味不明になってしまう。
関係を持つ女性達のとの馴れ初めも荒唐無稽であり、なんか気がついたら一緒に住んでは心中失敗したり離れたり。何でそうなったのだ?心理描写がペラペラである。

何より、これは邦画にはよくありがちだけど、特にこの作品に関して言えば、いくら音量上げようがボソボソボソボソ言ってて何言ってんだかわからねぇ!
原作が沈鬱で暗いからそのためにワザとボソボソ喋るよう演技指導してんのか?なんか知らんけど、これじゃただ暗いだけで深くもないファッション鬱みたいな映画でしかないと思う。
凛太朗

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