もとまち

スワンズソングのもとまちのレビュー・感想・評価

スワンズソング(2002年製作の映画)
3.2
90年代後半〜ゼロ年代前半の世紀末的空気感を綺麗にパッキングしましたみたいな、そういう映画。3大電波ゲーが好きな人とかは気に入りそう。なんたって開始1分で厨二病少女二人組の飛び降り自殺を見せられるし、その後も援交とかイジメとかをほんのり絡めながら、奇妙な演出による奇妙な物語がひたすら続いていく。役者たちの棒読み過ぎる台詞回し、死体があっても素通りさせる意味不明な動線、変な方向へぐんぐん動いていくカメラワーク。意図的にズラした演出が異様な雰囲気を生み出していることは間違いないが、あからさま過ぎて白けてしまうシーンも結構多い。主人公の母親の過剰な狂人演技なんて半ばコントである。内容自体は日本でわりと珍しいスラッシャーホラーで、まあスラッシャーと呼ぶにはテンポが悪過ぎる気もするが、ミステリーと言うにしても真相がお粗末過ぎる(というか意味わからん)。黄色いレインコートを着込んだ殺人鬼のビジュアルは悪くないし、『エクソシスト3』を露骨に意識した殺人シーンもまあまあ面白い。「少・女・惨・殺!!!」なジャケほどのインパクトは無いが、俺はわりとこの映画好きです。
もとまち

もとまち