オーウェン

フロスト×ニクソンのオーウェンのレビュー・感想・評価

フロスト×ニクソン(2008年製作の映画)
4.0
実際にテレビ放送されたニクソン元大統領と司会者デビッド・フロストの対談。

このときの様子を映画化したものだが、舞台劇から発展してきたというのがよく分かる。
ひたすらにトークの連続で見せるため、下手をすれば飽きる可能性も多分にあった。
ところが役者の力量によって充分楽しめるドラマへと代わった。

まずは対談に至るまでに色々と紆余曲折があったこと。
金の工面に走るフロストと、金額を上乗せするニクソン。
こういう事実があったのは興味深かった。

そして実際の対談。誰もが聞きたいウォーターゲート事件をはぐらかずニクソンがまた憎々しい。
対するフロストも真実を引き出そうと奮闘する。
このやり取りは白熱した。引かず押さずの駆け引きが素晴らしい。

唯一の脚色である電話のやり取りが決定的な瞬間だったとは巧い。

ケビン・ベーコンやサム・ロックウェルなど助演陣も巧いが、やはり主役の二人だ。

マイケル・シーンは実在の人物に巧く息吹を吹き込んだ。
対するジェンキンスはニクソンに人間味を持たせることに成功している。
自身を打ち砕かれ狼狽する姿があまりにも哀れにさせ、こちら側に共感までさせる。
単なる悪人で見ていたニクソンを人間として見せた演技はオスカーに値するだろう。
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