不審な死や行方不明事件が相次ぐ中、ネットではその死亡者や行方不明者全員が過去いじめの加害者だったという噂が飛び交っていた
お調子者の大学生 英明は、同じ大学の彼女 理香子と過ごしていたところ、3日前の同窓会で再会した元同級生の智恵からメールを貰う
浮ついた感情を疑う理香子だったが、そのメールの内容は、当時の担任教師 森野が自殺したという知らせだった
森野とも同窓会で会ったばかりで、最近結婚したことも自慢しており、英明は到底 彼が自殺をするとは考えられず狼狽する
後日 通夜へ出席した英明は、そこで智恵と同じ同級生だった石松から、森野が同窓会の後に行方不明になっていたと聞く
3人はあの日、最後まで森野と行動を共にしていた同級生の新庄と吉池が通夜にも出ていないことから、何かトラブルがあったのではないかと訝しむ
その後 自宅に遊びに来ていた理香子と一緒にいた英明は、×印が書かれた謎のDVDが届いていたのを発見
再生した映像には拘束された森野のように見える男性が、頬に×印の焼印を押されるという拷問めいた様子が映っていた
何かの悪戯かと考える英明だったが、理香子は映像内に、撮影者と思しき長い黒髪の女性が映り込んでいることを発見する
英明は同窓会の帰りにロングコートを着た同じような風貌の女を見かけたことを思い出し、念のため警察へと出向くことに
ところが刑事の室田からは、既に森野の事件は遺書まで見つかっており自殺として処理されているとあしらわれてしまう
そこで英明は、石松に協力を求める
石松と共に映像の女性を確認してみると、彼は同窓会を欠席していたいじめられっ子の鞠子のようだと指摘
早速 英明は自宅に帰り、卒業アルバムを開きながら記憶を掘り起こす
かつて鞠子は新庄や吉池ら同級生の男の子達から執拗ないじめに遭っており、見かねた英明は森野に相談
ところが森野は大事にしたくない様子で話を軽く流し、新庄や吉池からも脅された英明はそのまま泣き寝入りする羽目になったのだった
そんな折、英明は理香子からあのロングコートの女に跡をつけられていると電話を受ける
急いで理香子の元へ向かった英明は、そこでロングコートの女を発見
更に電話で理香子は入れ違いに帰宅したことを知った英明は、そのままロングコートの女を追うことを決心する
ロングコートの女は、すすり泣きながら路地で大きな×印を描いており、英明は鞠子の名前を呼びながら近づくが、振り向きざまにスタンガンを押し当てられ意識を失ってしまうのだった
やがて箱の中で目を覚ました英明は、小学生時代の教室のような場所に、新庄や智恵と共に閉じ込められていることに気が付く
混乱する3人に、様子のおかしい吉池も加わり、突如として校内放送からは“×ゲーム”の開催が宣言される
それは、小学生時代に新庄や吉池が鞠子をいじめるために考案した遊びだった
覆面を被り、スタンバトンで武装した人物に強制され、4人は互いをいじめ合う陰湿な×ゲームに参加することとなるが・・・
山田悠介の同名小説を原作としたサスペンス映画
原作と言いながらも、いじめというテーマやキャラクターはそのままに、ストーリーは全く異なるレベルで脚色が加えられている
タイトルにもなっている×ゲームを、閉じ込められたクラスメイト達が、理不尽な×ゲームに翻弄されながら真相を探るという、デスゲーム的な仕上がりに変化させている
公開当時は『親指さがし』や『リアル鬼ごっこ』など、山田悠介原作作品の人気もあってか、割と頑張っててクオリティは悪くない
いじめの陰湿さをゲームに昇華したことで滑稽さとスリルが同居してて、この手の作品のツボを押さえた作りになってる
AKB48やD-BOYSといったアイドルを出してる割には まあまあやらせてるし、×ゲームもR-12ながらゴア表現に工夫を感じられて好き
やや展開の平坦さは否めないけど、そこそこなものが観られるので、そこまで期待せず肩の力を抜いて観ましょう