Adele

キング・コングのAdeleのネタバレレビュー・内容・結末

キング・コング(1933年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

やっと観れた本作
さすが、長年評価されているだけある作品だと思った、ただし、途中までは
後半は理論的にどうなのよ?と首を傾げざるを得なかった

時はアメリカ、世界恐慌時代
無鉄砲な映画監督デナムが船長や隊員にも行き先を教えず、極秘のものを撮りに行く計画が実行されようとしていた
だが、そんな無鉄砲な計画に参加したがる主演女優がいるわけがなく、デナムは出発前夜に街で出会った恐慌の影響を受け、美貌はあるが仕事がなく困っている女性アンをなんとか説得させ、その秘密ツアーへ出航する
そこからがコングへと続く旅になる

まず、今作は本当に1930年代の作品とは思えない程のクオリティの高い作品なのは間違いないと思う
脚本もしかり、演出やストーリー展開もしっかりしている
何なら、現代の下手な作品よりもしっかりしていて楽しめる

ジャングルの中では、単にコングを追いかけるだけではなく、途中、コングVS恐竜、大蛇、翼竜との闘いまで見せてくれ、興奮度MAX!
そこまではよかった

しかし!例の自己中男デナムがコングをNYに連れて帰り、見世物にして大金を稼ぐと言い出す始末…はぁ???こいつバカなのか???
一体、どこまで自己中なんだ?

案の定、コングがNYで暴れるのは当たり前
コングは何も悪くない
自分の生活を邪魔され、勝手に連れてこられただけ
ラストは自分勝手で自己中で頭が最高に悪い人間に利用された悲しき犠牲者にしか見えず、ただただ悲しかった…

何回も言わせてもらうが、今作は長年評価されているだけあり、名作なのは間違いない
今観ても充分楽しめる
ツッコミどころは満載だが

しかしながら、個人的なことを言わせてもらうと、デナムという男のせいで、後半、この作品への見方が180度変わってしまった
自身、動物好きなので、どうしてもコングを野獣とか怪獣などと思えず、動物的な観点で見てしまい、コングがかわいそうだと感じてしまう
そういった観点は全く感じず、割り切って見れる人なら、格別、コングに同情せずに楽しんで観れると思う

また、今作は音楽も評判通り有名だが、自身は中盤、コングが登場してから、ずっと音楽が流れっぱなしの状態が少し耳障りだった
たしかに今作の音楽はその場面の臨場感をリアルに伝えるものであり、その効果は大成功だと思う
けれども、何もあそこまで煽ることはないと思った
更に、人間の叫び声も耳障りだった
いくらなんでも、叫びすぎ…コングより、人間の叫び声の方が怖いよ…

最後、作品とは少しかけ離れた感想になってしまいますが、今作の中盤から後半、コングが怒り狂って、先住民の村や人達を破壊してしまうシーンを見て、まるでアメリカの歴史の繰り返しを見せられているようだった
本作はデナムという自分勝手な男の侵入がなければ、先住民は割と穏やかに暮らしていたと思う
それなのに、デナムというバカ男のせいで、コングが暴れ、自分達の生活が破壊された
この姿は白人アメリカ人がアメリカ先住民の土地を奪略し、虐殺する、その姿をそのまま再現しているようにしか見えなかった…
まぁ、これはあくまでもわたし個人の意見であって、ここまで、深く考える人はいないと思います

そういう意味では、今作は最高の映画作品でエンターテイメントではあったが、いろんな意味で考えさせられた作品でありました
名作なのは間違いないですが、複雑な気持ちになるので、また見返したり、続編を観ることはないと思います
Adele

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