翔んだカップル オリジナル版のゆうさくのレビュー・感想・評価

一つの感情からもう一つの感情へと刻一刻と変化して行く数々の長回しが素晴らしく、そしてこの映画の掴み辛さを生んでいる。掴みかけたキャラクターの感情がその一瞬先には全く違ったものになってしまう。

このパッケージングでここまで鬱屈としたもどかしい映画になるのか、という驚きがある。ジャンプに載ってそうなラブコメシチュエーションで全て間違ったルートに突き進んでいく。その果てに行き着くモグラ叩きの宙ぶらりんな時間が凄い。背景の、文化祭で盛り上がるモブたちの煌びやかさと主人公たちの"端っこ"な時間の流れが同一画面に映される凄さ。