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博奕打ち 総長賭博のdxdxdのネタバレレビュー・内容・結末

博奕打ち 総長賭博(1968年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

三島由紀夫がギリシャ悲劇を引き合いに出して絶賛するのも納得の傑作。
ザ・義理人情の任侠映画といよりは、ヤクザ組織で絡めとられる男たちの悲哀の物語だった。鶴田が一歩引いたせいでごたごたが起きるのはいつもの展開だけど、仁義を通したためにとにかく多くの者が無残に死んでいく。対立した兄弟分である若富を和解せず斬ったのは驚いた。いつものフォーマットなら共闘して黒幕を倒しているはずなのに…。ラスト、「任侠道か……そんなもん俺にはねえ……俺は、ただの、ケチな人殺しなんだ……」の鶴田の悲哀たるや。義理と人情の間で揺らぎ、どうしょうもなくなった男の慟哭であり、今後の実録路線を占う台詞だった。
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